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ロサンゼルスの思い出

GTAオンライン(Xbox360海外版)の小説化

戦車

 気が付くと、俺を追ってきたバウンティーハンターたちも、垣根を超えた瞬間、戦車の砲撃によって次々に煙にされた。彼らは激怒し、殺されても殺されても立ち向かった。さっきまでいがみ合っていたが、戦車に対抗するため一致団結、ロケットランチャーを撃ったり手榴弾を投げたりする。しかし主砲が反動するたびあっけなく死亡した。
 俺があっけに取られていると、戦車は予想外のスピードでこちらに突っ込んできて、俺をキャタピラの下敷きにした。ご丁寧に前進後退を繰り返し、俺の肉体をミンチにした。俺のような小者を殺すには、砲弾はもったいないのだろう。
 ここにいたら命がいくつあっても足りない。俺は大急ぎでこの戦場から脱走しようと試みた。たまたま通りかかったクーペからハゲたオヤジを引きずりおろし、俺が代わりに乗り込む。大慌てでアクセルを踏み込むと、飛びついてきたオヤジを轢いてしまった。小太りのオヤジはシャーシと地面の間にはさまった。オヤジの武勇を呪いながら、祈るような気持ちで速度を上げた。オヤジは車体の下から抜け出ることなく、時速70キロメートルで引きずられた。振り落とそうと思ってハンドルを左右交互揺するように切ると、タイヤがオヤジの肉体を蹂躙した。ようやくオヤジを振り払ったとき、数百メートルにわたって血痕がベッタリと路面に付着していた。命に別条はないといいが。
 レーダーを一瞥すると、たくさんの丸がわらわらと戦場に集まって来る様子が見て取れた。どうにか戦車の暴走を食い止めようと、ロサンゼルス中のクソッタレが集まってきているようだった。彼らにとって、戦車の市街地出現は一種のお祭りだったのだ。
 阿鼻叫喚の爆発音が聞こえないエリアまで逃げてくると、俺は仕事探しのサイトにアクセスした。まだまだ金が必要だった。武器を購入したかったし、愛車を改造したかったし、アパートを購入したかったし、やりたいことはまだまだいっぱいあった。それから、ギャングとしての地位を上げたかった。いつか戦車を操縦できるような、いっぱしのクソッタレに。