ロサンゼルスの思い出

GTAオンライン(Xbox360海外版)の小説化

コンビニでの死闘

 ベースジャンプをやり遂げ、山を下りて来た俺たちは、息抜きがてら、コンビニ強盗をすることにした。
 それぞれが買い物を済ませたあと、ウェルカミングワンドがショットガンを店員に突き付けた。俺もピストルを構えた。店員はあんぐり顔中を口にして、ゆっくり両手を挙げた。ウェルカミングワンドは「早くしろ」と喚きながら、店員の背後の壁に向かってショットガンを発射した。ディスプレイされている酒瓶が砕け散り、タバコのカートンが穴だらけになった。店員は尋常ではない速度でレジの金をビニール袋に詰めた。断続的にショットガンが火を吹いた。俺も見よう見まねで雑誌に風穴を開けた。
 ウェルカミングワンドは店員の手からビニール袋を奪い取った。そして、ショットガンの銃身で店員を殴り倒した。
「さあ逃げるぞ」
 店の外に出ようとすると、ガラス戸に誰かが銃弾を浴びせた。俺たちは大急ぎで引き返し、カウンターの中に身をひそめ、外の様子を窺った。
 相手は警察ではなかった。レーダーを確認すると、丸が2つ。俺たちのような2人組のクソッタレだった。セダンを盾にし、店に向けて発砲している。同業他者と見ればすぐに撃ち合いを始める。ひさしぶりにロサンゼルスの暗黒面を感じた。
 店の入り口は狭い。一瞬の隙を突いてドアの外に出るのは困難だった。それは相手も同じことで、無理に店内に押し入ればたちまち俺たちの銃の餌食になる。必然的に、籠城戦になった。
 セダンから顔を出したアサルトライフルが、銃声を吼え立てる。ガラス戸はすっかりフレームだけとなり、銃弾がイナゴの大群のように店内へと飛び込んでくる。俺たちは防戦一方で、為す術がない。レーダーを確認すると、敵のうち1人が、死角からこっそりと入り口のすぐ横へ移動したのがわかった。壁越しに息をひそめ、俺たちを殺害するチャンスを狙っている。
 ウェルカミングワンドが手榴弾を放り投げた。数秒後、爆風でドア枠が吹き飛び、そばに居た敵も爆死した。これに激怒したのか、もう1人の敵がセダンの裏から手榴弾を立て続けに投げ込んできた。俺たちはたまらず店の奥にある事務所に逃げ込み、爆発から身を守った。
 敵は何度も店内への侵入を試みたが、その度にウェルカミングワンドが手榴弾やショットガンで退けた。何度かの攻防のあと、警察が現場に到着したこともあり、敵はついにあきらめ、セダンに乗って去っていった。俺たちは親指を立て、互いに勝利を祝し合った。
 大量の警官が踏み込んでくる前に、俺たちもこの場から立ち去らねば。店の出入り口に急いだ。するとその瞬間、視界がまぶしい光に包まれ、高熱の爆炎が立ち上った。敵の置きみやげ──俺たちの動きをレーダーで確認しつつ、タイミングを見計らって起動されたリモコン爆弾だった。俺たちは俺たちが撃った酒瓶のように、木端微塵に砕け散った。