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ロサンゼルスの思い出

GTAオンライン(Xbox360海外版)の小説化

ストリートレース

 裏サイトでストリートレースを検索した。現在地から近場であり、なおかつ、車両をレンタルしてくれるレースに的を絞って探す。
 刑務所の外周をぐるぐる3周するレースを見つけた。複雑な経路を覚える必要もなく、アクセルワークとハンドルさばき次第で俺にも勝てそうだった。
 砂にまみれた車道まで自力で歩き、最初に通りがかったバギーを強奪し、レース会場となる刑務所に向かった。少額の参加費を払い、使用するスポーツカーを選び、スタート地点に待機した。
 出場選手は全部で6人。自前のカスタムカーは禁止で、全員が主催者側の用意した車に乗った。
 レーススタートへのカウントダウンが始まる。みな、エンジンを空ぶかししたりクラクションを鳴らしたり、闘争心むきだしだ。
 3、2,1……。Go!
 各車一斉にスタート。俺は良いスタートを切ることが出来、まずは3位につけた。6台は団子状となって最初のカーブに突入する。車の性能差は僅少であり、わずかなハンドル操作ミスで取り返しのつかないことになる。集中しなければ。
 カーブに差し掛かる。トップを走る車がほんの少し減速し、俺も心持ちアクセルをゆるめた。だが、2位の車はスピードを全く落とさなかった。それが命取りであり、2位は横Gに負けてアウトコースに逸れた。俺はアウトインアウトのライン取りによってインコースから2位を抜き去った。
 バックミラーに映る後続車も軒並みコーナリングが下手だった。スローイン・ファストアウトの原則を知らず、アクセルはベタ踏みにしていれば良いと思っている。4位の白い車に至っては、順位を上げようと焦ったのだろう、テールを滑らせ豪快にスピンした。
 刑務所の周囲を右回りでグルグルと回る。最初は団子状だった6台はバラバラにほぐれ、もはや俺とトップとの一騎打ち状態だった。トップを走る車はまるで自動運転のように完璧なライン取りであり、全くミスをしなかった。俺も必死に食らいついていくが、彼のタイヤの痕跡をなぞるような走りであり、車の性能差もないため距離は全く縮まない。後発の電車が先行する電車を追い抜けないのと同様、どうやっても前に出られる気がしない。
 このまま2位でゴールしても賞金は出るが、1位のそれと比べるべくもなく、俺は1位になりたいと切に願った。
 残り1周。このままの順位でレースは終了してしまうかと思われた矢先。前方から、1台の車が逆走して来るのが見えた。それはレース序盤の4位、豪快にスピンをして周回遅れとなった白い車だった。彼はレースを放棄し、他のレーサーを妨害しようと待ち構えていたのだ。
 トップの車は避けようとしたが、白い車の狙いすました突進により、衝突、コース外に弾き飛ばされた。代わりに俺がトップに浮上した。棚からボタ餅、俺は1着でゴールインした。お立ち台で思いっきり腰ふりダンスをしてやった。