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ロサンゼルスの思い出

GTAオンライン(Xbox360海外版)の小説化

車を取り戻す

 GPSマップを確認すると、車のマークがスクラップ工場に表示されたままだった。これは発信器が無事ということで、発信器が無事ということは愛車は爆破されずに残っている可能性が高いということだ。
 エクスペンダブルズのような連中はもういなくなっているかも知れない。取り戻すなら今だ。小銭すら持っていなかったが俺はタクシーを拾い、現場に向かってもらった。目的地に到着すると俺は運転手に銃口を提示して代金を踏み倒し、さっそうと砂地の上に降り立った。
 周囲を見回してみる。静かだ。エクスペンダブルズは居なくなっていた。俺はGPSをたよりに愛車のある場所にゆっくりと歩み寄った。
 ハチロクは、ほとんど直方体に近い物体と化していた。フロント部分がぺちゃんこに圧縮されており、ドアはもぎ取られていた。ガラス部分はすべて崩落し、タイヤは4輪ともパンクしていた。辛うじて残った青色の塗装が、かつて俺の愛車だったことを物語っている。悲しかった。が、なぜか逆に笑えてきた。ここまでするか。おそらくダンプカーなどで前後から追突したのだろう。何度も。何度も何度も。挟み込むようにして。
 試しに乗ってみた。座り心地は最悪。エンジンを掛けてみた。きゅるきゅる、きゅるきゅるきゅる。空回りするばかりだったが、執拗にキーを回していると、奇跡的にエンジンが始動した。はたして走れるのだろうか。俺はアクセルを踏んだ。ハチロクはみじめなほどの速度で動き始めた。情けなくなった。パンクしたタイヤがバーストし、ゴム部分がベロベロになった。ホイールが剥き出しになり、アスファルトと接した面が火花を飛び散らす。少しハンドルを切っただけで勝手にドリフトし、立て直そうとハンドルを切るとその場でスピンしてしまう。アクセルをこまめに踏まないとすぐにコントロールをうしなう。修理工場に持って行ったとしても、新車を買うのと同じくらいの料金が必要になるだろう。